経営理念が完成したのは2006年1月6日で、新年が始まったばかりの時でした。年末に、私と同じ年齢で経営の先輩でもある久保田さんが突然会社を訪れ、そのアドバイスを受けて経営理念を作成しました。しばらくして、経営の大先輩である楠山さんから「経営理念を作ったらもっと経営理念を研きなさい」という助言をいただき、その言葉が今でも私の頭の中に強く残っています。
私が起業する前から、藤沢の公認会計事務所を営む武田先生には何度も経営理念作成の重要性を教えられていました。実際に起業した後、武田先生の勧めで中小企業家同友会に入会し、経営理念作成に真剣に取り組みましたが、なかなか完成には至りませんでした。
経営理念が出来上がったとき、久保田さんからは「経営理念を毎朝の朝礼で唱和しなさい」とさらなる助言を受けました。当初は人前で経営理念を述べることに恥ずかしさを感じていましたが、今では自信を持ってそれを言えるようになりました。経営理念を作っておいて本当に良かったと感じています。武田先生のアドバイス通り、経営理念を作成するまでには長い時間が必要でしたが、それが今の私たちの礎となっています。
私たちの事業の柱は、企業向けホームページの作成と管理ですが、20周年を機に新しいプロジェクト9マスノート「M9notes」の製造販売を始めました。ホームページ作成は、一社一社仕様の違う、洋服に例えるなら一人一人のサイズを測り、好みを聞いて作るオートクチュールのサービスです。新しいプロジェクトとは、一つのモノを作り、多くの人に買っていただくプレタポルテのサービスでした。
私たちがオートクチュールに加えプレタポルテのビジネスモデルに挑戦したのは、これまでの「ホームページ作成」事業で得たノウハウと経験を全て使って、インターネットでモノを売ることを実践したいという思いがあったからです。インターネットでモノを売り買いするようになって20年が過ぎますが、私たちはまだその正しいやり方をよくわかっていません。それでは、これからインターネットの技術が進んでも、私たちはいつまでも会社案内のホームページしか作れないままです。これからますますビジネスの主流にインターネット、ホームページを使われていくと考えています。そのとき、コンピュータリブ社のサービスで誰かの役に立ちたいです。
友人・知人を集めて9マスノートのPRをするイベントを開催したときのことでした。そのイベントに、千代田区で開業するきっかけをくれた先輩経営者の小林さんも来てくれました。小林さんが帰り際に一言「中島、経営理念通りになったね」と言いました。私はそれを聞き逃しませんでした。
久保田さんの「どうして、どうして、どうして」という再三のダメ出しに、喧嘩しながら作った経営理念でした。経営理念が出来上がったとき、経営理念を書いて額に入れて掲げておくようにと、久保田さんが額と筆ペンを買って来てくれました。私は額に書かれた経営理念を見るたびに、多くの人に支えられていることを実感しています。
私たちコンピュータリブは、「やさしくデジタル」という合言葉を掲げ、お客様の人生とビジネスを豊かにできることを考えながら仕事をしていきたいと思います。今後も、皆様の期待に応えるべく、革新的で実用的なサービスを提供し続けることをお約束します。これからもコンピュータリブ社をどうぞよろしくお願い申し上げます。お客様からのフィードバックやご意見はいつでも歓迎しておりますので、ご連絡いただければ幸いです。一緒に新たな価値を創造していきましょう。
(文責:中島正雄)
イラストレータの吉田稔美さんに、経営理念をイラストにしてもらいまいた。
とても気に入っています。