シンプルで美しい名簿管理システムを作りたいと思いました。私はWindowsが出る前からマイツールというデータベース言語のソフトを使っています。データベースを作るときに、「一行一データ」であることを徹底的に叩き込まれました。
名簿の場合、一人に対して自宅の住所と会社の住所を一行に入れるかどうかを非常に長い時間考えました。「一行一データ」の考え方では、同じ項目を一行に入れないということです。一般的な名簿アプリでは、自宅も会社も一行に入っています。その結果、一行が横に長くなり、シンプルとは言えない見た目になります。どちらかの住所が入っていない項目が多くなり、一覧の見た目が美しくないのです。
名簿は入力して終わりではなく、入力してから活用が始まります。私は住所の項目を一つにして、自宅と会社を分ける項目「KJ」を作り、同じ人でも自宅で一行、会社で一行、入力するようにしました。私の場合、名簿に1200人ほどありますが、一人が二行ある人はそれほど多くありません。
シンプルでスッキリした名簿一覧は非常に美しく、ずっと見ていても飽きません。それどころか、誰かに会いたくなります。そして、誰かの役に立てることはないかと考えるようになります。
自宅と会社の項目「KJ」は発展して、「B・G・M・P・S・W」なども追加しました。例えば、名簿に行きつけのお店を入力する際は、KJ項目をGにします。一度行ってみたいレストランもGにします。読んだ本や読みたい本があればKJをBにして入力します。同様に、映画はM、場所はP、お店はSです。欲しいものがあればKJをWにします。Wの項目を検索すると、ウィッシュリストが出来上がります。
こうなると、名簿がKJ項目でさまざまなリストに変わります。これがデータベースであり、「一行一データ」であることの意味です。名簿には人の名前だけでなく、レストランやお店も入力されています。これを郵便番号で並べ替えると、あの人の会社の近くに行きたいお店があるとか、あの人とここで食事をしようとかというアイデアが浮かびます。「おすすめのレストランはどこ?」と聞かれたら、KJの項目で検索して直ぐに教えてあげることができます。そう、人と会いたくなる名簿の理由はここにもあります。
そうだ、「R」を追加してレシピも入れれるようにしよう。
(文責:中島正雄)