最近、レストランから人の姿が減っていくように感じます。席に設置されたタブレットやスマホのQRコードで注文ができ、料理もロボットやレールのような配膳システムで運ばれてくることが増えました。デジタル化で便利にはなっていますが、レストランにいると何か寂しさを感じるようになりました。人と人のコミュニケーションの機会が失われているように思います。
空海さんは、密教を広めるために9マスのマンダラを発明しました。空海さんはどのように伝えるかを、なんどもなんども考え抜いて、最終的にこのマンダラにたどり着いたのでしょう。その考える過程が、僕はコミュニケーションのそのものではないかと思っています。「伝える」ために考え、行動すること。これは、私自身の経験とも重なります。
学生時代、私は全校生徒の前でコントを披露したり、一匹狼と言われている教授や、何を考えているか分からない上司にプレゼンをする機会がありました。そのような場面では緊張しましたが、準備する時間は好きでした。伝える相手のことを思い浮かべながら、どう伝えるのがベストかを考える時間が楽しかったです。相手の反応を想像しながら準備を進めると、だいたい良い結果になりました。この準備をすることが大事であり、伝えることの大切さを実感することができます。
しかし、技術の進歩により、このようなコミュニケーションや考える時間が減少しているのではないかと感じます。便利さの裏には、失われていくものもあるようです。まるで自分が魔法でも使えるようになったかのように。私たちのM9notesも、海外の人々に使ってほしいと願っていますが、そのためには、しっかりと考え、準備をする必要があります。まずは、海外販売を行いたいです。
空海さんがどのような考えで9マスのマンダラを準備し、完成したときに何を感じたのか、興味があります。そして、空海さんのマンダラからインスパイアされて、私たちは夢の山を作り上げました。今回はこの夢の山をスマホでリアルな形で体験できるよう3Dモデルを皆さんにお見せいたします。楽しんでいただけると嬉しいです。
新しい技術が進んでも、人とのコミュニケーションや考える力を失わないようにすることを私たちは考えていきます。伝えることの大切さを再認識し、私たちもまた考えることを大事にしていきたいと思います。(文責:中島創太)